Nature ハイライト
地球:森林の水利用効率の大幅な上昇
Nature 499, 7458
大気中CO2濃度の上昇によって、植物の水利用効率が高まるはずであると理論的に考えられているが、自然の森林生態系におけるこの作用の実際の大きさは、まだ分かっていない。北半球各地の森林試験地から得られた炭素フラックスと水フラックスに関する長期的な測定結果を分析したところ、過去20年間の水利用効率の予想外に大きな上昇が見いだされた。これは、大気中CO2濃度の350 ppmから400 ppmへの増加と合致している。この傾向に伴って、光合成による取り込み速度と炭素隔離速度が同時に加速していることが多い。観測された水利用効率傾向の最も可能性の高い説明としては、植物の葉のCO2濃度を一定に維持する気孔の部分的な閉鎖が挙げられている。この結果は既存の理論や陸上生物圏モデルと一致していない。
2013年7月18日号の Nature ハイライト
神経科学:神経活動を調べるための新しいセンサー
発生:筋肉を作り上げるタンパク質
細胞:血管新生タンパク質であることが分かったLRG1は薬剤標的候補
物理:ジョセフソン効果の新展開
材料:二段階プロセスによる太陽電池の大幅な性能向上
生物無機化学:ハロゲナーゼSyrB2反応中間体の構造
地球:森林の水利用効率の大幅な上昇
医学:腸チフスの鍵となる新規毒素
生物物理:リボスイッチには、オン、オフと「状況次第」がある
分子生物学:転写の方向性を制御する