Nature ハイライト
生物無機化学:ハロゲナーゼSyrB2反応中間体の構造
Nature 499, 7458
単核非ヘム鉄(NHFe)酵素によって触媒される酸化反応では、高スピン種S = 2 Fe(IV)=Oが重要な反応中間体である。今回、シンクロトロン放射光を用いた核共鳴振動分光法(NRVS)によって、植物病原菌Pseudomonas syringaeに由来するハロゲナーゼSyrB2の反応中間体の構造が決定されている。NRVS法は、Feの振動モードがFe(IV)=O活性部位の性質にどのように依存するかを高い感度で明らかにできる。この中間体の反応では、最初に水素原子が引き抜かれ、次にリバウンド機構によって天然基質ならハロゲン化、非天然基質ならヒドロキシル化が起こる。このとき、基質がオキソ中間体の配向を決め、選択的ハロゲン化または選択的水酸化のそれぞれを活性化するフロンティア分子軌道を特定する。
2013年7月18日号の Nature ハイライト
神経科学:神経活動を調べるための新しいセンサー
発生:筋肉を作り上げるタンパク質
細胞:血管新生タンパク質であることが分かったLRG1は薬剤標的候補
物理:ジョセフソン効果の新展開
材料:二段階プロセスによる太陽電池の大幅な性能向上
生物無機化学:ハロゲナーゼSyrB2反応中間体の構造
地球:森林の水利用効率の大幅な上昇
医学:腸チフスの鍵となる新規毒素
生物物理:リボスイッチには、オン、オフと「状況次第」がある
分子生物学:転写の方向性を制御する