Nature ハイライト
Cover Story:活躍する原子:5個の原子キュービットを使ったプログラム可能な量子コンピューター
Nature 536, 7614
表紙はイオントラップの写真で、直線状のイオン鎖を閉じ込め光学的に扱える高周波ポールトラップの電極を形成している4枚のブレードが示されている。機能性量子コンピューターは、一部では熱く待ち望まれている。例えば、化学反応のシミュレーションや大きな数の因数分解といった問題に対しては、量子コンピューターはどのような古典的コンピューターよりも優れた性能を発揮すると思われる。小型の量子コンピューターでアルゴリズムが走ってはいるが、容易に再構成可能で、ハードウエアを変えることなくさまざまなアルゴリズムをコンパイルできるプログラム可能な量子コンピューターの設計はこれまで不可能だった。S Debnathたちは今回、キュービットとして5個の捕獲した原子イオンを使い、そのような小型でプログラム可能な量子コンピューターを実証した。原理的には、このアーキテクチャーをより多数のキュービットへ拡張できる可能性がある。
2016年8月4日号の Nature ハイライト
遺伝子変動:2型糖尿病における遺伝子の変動
ワクチン:ジカ・デングワクチン開発を目指す
量子物理学:電荷量子化の発展のモデル
機械工学:in situでできる低摩擦トライボ膜
神経科学:脳幹が後吸気活動を生じさせる
システム生物学:抗腫瘍細菌に自制機構を組み込む
心疾患:アテローム性動脈硬化の発生機構
がん:ネオアンチゲンに対する腫瘍抵抗性
分子生物学:代替5′ mRNAキャップ形成経路
構造生物学:53BP1が2つのヒストン標識を同時に認識する仕組み
構造生物学:AMPA受容体のゲート開閉を調節するTARP γ2