Nature ハイライト
システム生物学:抗腫瘍細菌に自制機構を組み込む
Nature 536, 7614
細菌を「生きた治療薬」として用いることに関心が集まっているが、宿主応答による合併症や長期の有効性についてはまだ確認されていない。今回O Dinたちは、腫瘍に対する毒素を放出して固形腫瘍を標的にすることが知られているサルモネラ菌株に、遺伝子操作でクオラムセンシング時計を組み込んだ。この時計は、細菌コロニーの周期的な溶菌を引き起こすことで細菌集団を制御し、マウスがんモデルにおいて抗腫瘍毒素の持続的な送達を確実にした。このシステムは今のところ効果的な治療法ではないが、この研究は、in vivoで動的および持続的な治療薬送達を達成するのに合成生物学が利用できることを示している。
2016年8月4日号の Nature ハイライト
遺伝子変動:2型糖尿病における遺伝子の変動
ワクチン:ジカ・デングワクチン開発を目指す
量子物理学:電荷量子化の発展のモデル
機械工学:in situでできる低摩擦トライボ膜
神経科学:脳幹が後吸気活動を生じさせる
システム生物学:抗腫瘍細菌に自制機構を組み込む
心疾患:アテローム性動脈硬化の発生機構
がん:ネオアンチゲンに対する腫瘍抵抗性
分子生物学:代替5′ mRNAキャップ形成経路
構造生物学:53BP1が2つのヒストン標識を同時に認識する仕組み
構造生物学:AMPA受容体のゲート開閉を調節するTARP γ2