Nature ハイライト
構造生物学:AMPA受容体のゲート開閉を調節するTARP γ2
Nature 536, 7614
哺乳類の中枢神経系で起こる速い興奮性神経伝達のほとんどには、AMPA感受性イオンチャネル型グルタミン酸受容体が関わっている。AMPA受容体はヘテロ四量体受容体の構造を持ち、そこに補助サブユニットが結合していて、最も一般的な補助サブユニットはTARP(transmembrane AMPA-receptor regulatory protein)である。E Gouauxたちは今回、ホモマーであるラットGluA2 AMPA受容体について、TARP γ2サブユニットが存在する状態での低温電子顕微鏡構造を報告している。その構造から、TARPがイオンチャネルドメインの周囲に4回対称の形に配置されていて、受容体のM1とM2、M4膜貫通ヘリックスと広く相互作用していることが明らかになった。著者たちは、TARP γ2がAMPA受容体のゲート開閉を調整する機構を提案している。
2016年8月4日号の Nature ハイライト
遺伝子変動:2型糖尿病における遺伝子の変動
ワクチン:ジカ・デングワクチン開発を目指す
量子物理学:電荷量子化の発展のモデル
機械工学:in situでできる低摩擦トライボ膜
神経科学:脳幹が後吸気活動を生じさせる
システム生物学:抗腫瘍細菌に自制機構を組み込む
心疾患:アテローム性動脈硬化の発生機構
がん:ネオアンチゲンに対する腫瘍抵抗性
分子生物学:代替5′ mRNAキャップ形成経路
構造生物学:53BP1が2つのヒストン標識を同時に認識する仕組み
構造生物学:AMPA受容体のゲート開閉を調節するTARP γ2