Nature ハイライト
分子生物学:代替5′ mRNAキャップ形成経路
Nature 536, 7614
真核生物のメッセンジャーRNA(mRNA)へのリボソームの動員は、翻訳開始因子eIF4Eと、mRNA 5′末端の「キャップ」と呼ばれる特殊なヌクレオチド構造との相互作用が関与する。eIF4Eは特定の条件下では不活性化されているが、多数のmRNAの翻訳は維持されている。J Cateたちは今回、もう1つ別の翻訳開始タンパク質eIF3dが、c-Junなど一部のmRNA群の代替キャップ認識因子として働く仕組みを示している。eIF3dキャップ結合ドメインの高分解能構造はキャップ構造上にモデル化でき、これらのmRNAの翻訳に必要とされる相互作用が明らかになった。著者たちはまた、c-Jun mRNAがeIF4Eの動員を阻害するエレメントを含んでいることを見いだした。
2016年8月4日号の Nature ハイライト
遺伝子変動:2型糖尿病における遺伝子の変動
ワクチン:ジカ・デングワクチン開発を目指す
量子物理学:電荷量子化の発展のモデル
機械工学:in situでできる低摩擦トライボ膜
神経科学:脳幹が後吸気活動を生じさせる
システム生物学:抗腫瘍細菌に自制機構を組み込む
心疾患:アテローム性動脈硬化の発生機構
がん:ネオアンチゲンに対する腫瘍抵抗性
分子生物学:代替5′ mRNAキャップ形成経路
構造生物学:53BP1が2つのヒストン標識を同時に認識する仕組み
構造生物学:AMPA受容体のゲート開閉を調節するTARP γ2