Nature ハイライト
心疾患:アテローム性動脈硬化の発生機構
Nature 536, 7614
N Leeperたちは今回、マウスとヒトにおいて、アテローム性動脈硬化病変が、罹患組織の効率的な除去を妨げる「don't eat me(私を食べないで)」シグナルを、抗貪食作用膜貫通型タンパク質CD47の発現という形で発するようになることを明らかにした。彼らは、抗CD47抗体を投与すると、この貪食による除去作用(エフェロサイトーシス)の欠陥が正常に戻り得ること、そして複数のアテローム性硬化症マウスモデルで改善が見られたことを示した。これらの結果は、心臓血管疾患において、エフェロサイトーシス促進を目的とする標的治療が有望である可能性を示唆している。
2016年8月4日号の Nature ハイライト
遺伝子変動:2型糖尿病における遺伝子の変動
ワクチン:ジカ・デングワクチン開発を目指す
量子物理学:電荷量子化の発展のモデル
機械工学:in situでできる低摩擦トライボ膜
神経科学:脳幹が後吸気活動を生じさせる
システム生物学:抗腫瘍細菌に自制機構を組み込む
心疾患:アテローム性動脈硬化の発生機構
がん:ネオアンチゲンに対する腫瘍抵抗性
分子生物学:代替5′ mRNAキャップ形成経路
構造生物学:53BP1が2つのヒストン標識を同時に認識する仕組み
構造生物学:AMPA受容体のゲート開閉を調節するTARP γ2