Nature ハイライト
微生物学:Frizzledは抗C. difficile薬の標的である
Nature 538, 7625
Clostridium difficile感染は、抗生物質関連下痢症の原因として最も一般的であり、また先進国では胃腸炎に関連する死亡の主原因となっている。この菌が持つ毒素A(TcdA)と毒素B(TcdB)は互いに相同であり、受容体介在性エンドサイトーシスによって宿主細胞内に侵入して、C. difficile感染時の病状を引き起こす原因物質となる。TcdBが大腸上皮を標的とする機構はまだ不明であった。今回、M Dongたちはゲノム規模CRISPRスクリーニングを行い、マウス大腸上皮および大腸オルガノイドでは、Wnt受容体Frizzled(FZD)ファミリーのメンバーが生理的なTcdB受容体で、TcdBはFZD1、2および7に対して最も高い親和性を示すことを明らかにした。従ってこの研究は、C. difficile感染の際の新しい治療標的を明らかにしたことになる。
2016年10月20日号の Nature ハイライト
計算生物学:構造が固定化されたペプチドの設計と合成
マラリア:新しいタイプの抗マラリア薬、二環式アゼチジン
微生物学:Frizzledは抗C. difficile薬の標的である
高エネルギー宇宙物理学:異常なフレアを起こしている2つのX線源
超高速フォトニクス:マルチペタヘルツ周波数で動作するエレクトロニクス
ナノフォトニクス:分子スケールでのエネルギー移動の制御
地球力学:インド洋地震後のマントルレオロジー
地球力学:インド洋地震後の上部マントルダイナミクス
幹細胞:霊長類モデルで、発作を起こした心臓が幹細胞で回復
細胞生物学:腫瘍細胞の生存を支えるエピシャペローム
分子生物学:Cezanne(OTUD7B)の構造と機能