Nature ハイライト
幹細胞:霊長類モデルで、発作を起こした心臓が幹細胞で回復
Nature 538, 7625
柴祐司(信州大学)たちは今回、軽度の免疫抑制を用いることで、心筋梗塞を起こした非ヒト霊長類の心臓に直接移植した同種異系iPSC由来心筋細胞が、生着・生存できたことを報告している。この移植細胞は宿主の心筋細胞と電気的に結合して、心収縮機能を改善した。しかし今回の研究でも、胚性幹細胞由来心筋細胞を非ヒト霊長類の心臓に移植したこれまでの実験と同様に不整脈が見られたことから、この幹細胞治療を臨床にトランスレートするには、移植後の不整脈を制御するためのさらなる研究がまず必要だろう。
2016年10月20日号の Nature ハイライト
計算生物学:構造が固定化されたペプチドの設計と合成
マラリア:新しいタイプの抗マラリア薬、二環式アゼチジン
微生物学:Frizzledは抗C. difficile薬の標的である
高エネルギー宇宙物理学:異常なフレアを起こしている2つのX線源
超高速フォトニクス:マルチペタヘルツ周波数で動作するエレクトロニクス
ナノフォトニクス:分子スケールでのエネルギー移動の制御
地球力学:インド洋地震後のマントルレオロジー
地球力学:インド洋地震後の上部マントルダイナミクス
幹細胞:霊長類モデルで、発作を起こした心臓が幹細胞で回復
細胞生物学:腫瘍細胞の生存を支えるエピシャペローム
分子生物学:Cezanne(OTUD7B)の構造と機能